wattsのノート−いろいろな本のノート

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2007/7/24 感想を書きました。


「猫のなるほど不思議学」 岩崎るりは 小山秀一 監修 講談社 ブルーバックス 2006年 3月20日発行

猫についてのいろいろが書かれている。著者、岩崎るりはは長年、西洋猫のブリーダーをやっている人だそうだ。ブリーダーというと、最近、雑誌記事などで読んだ、金儲け第一主義で劣悪な環境で子猫や子犬を量産し、ペット虐待の一因を作っているペット業者の一員という印象を持っているのだが、この本によると、西洋のちゃんとしたブリーダーは p.146「正しいブリーダーとは」に書いてあるように、まず研究家であり、他に収入源を持った上で愛情を持って猫を育てる人であるようだ。本の内容は、岩崎るりはが、よく調べて書いたものを、大学の獣医の専門家である小山秀一が監修している。普通の文章で読み物として書かれているが、猫の起源、行動、体、性、種類、遺伝、出産、健康、食事と幅広く触れられた内容は、手軽な猫百科と言っていいだろう。一読だけでなく、おりにふれて参照したい本だ。ただ、手軽な読み物なのだが、猫の性、セックスについても、しっかりと書かれており、かなりストレートな表現もあるので、あまり子供向けとは言えない。

このような本を読むくらいだから、私も猫が好きな方だ。私の好きなのは、この著者が育てているような西洋の血統の良い猫でなくて、よく見かけるような日本猫の雑種だ。私の育った家でも飼っていたことがある。私が一番興味を持つのは、野性の猫が、どうして、この何千年かで平気で人間と暮らすようになったのか。人間と暮らす猫は、人間の作った家や街という人口の環境をどう感じているのだろうか。身近な人間をどう感じているのだろうかといったことだ。これらの事柄については、この本の中にも書かれているが、読んで、完全に納得出来たというところまでは行かない。もっと専門的な本に何か書かれているのかも知れないし、まだ専門家の研究が必要なのかも知れない。

猫についての本は、この本の参考文献にあげられている「猫はなぜ夜中に集会をひらくか」を小学館の文庫でなく、別の出版社から単行本で出たときに買って読んだ。それから実用書の猫の飼い方といった本も一般向け、子供向けと読んでみた。飼い方の本を読んで、どうしても釈然としないのが、室内飼いのススメだ。最近の都会の事情を考慮した主張であり、理屈では分かるのだが、猫というと自由きままにそこらをうろうろしている姿が好ましいと思ってきた私からすると、どうも違うという気がする。この本でも、p.42 コラム「インドア派 or アウトドア派 どちらの猫が幸せ?」で、やはり室内飼いを主張している。猫が放し飼いにされたのは江戸時代の生類憐れみの令以降だという。運動好きの猫なら首輪をつけて散歩させればいいと言うのだが、身近で首輪をつけられている猫をみかける、その印象からして、やはり、この主張はすんなりと受けいれ難いのだった。

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